
大学生を対象としていますが、短大・専門学校生にもオススメできます。
タブレットにもノートPCにもなる便利な「2in1(ツーインワン)」パソコンを選ぶ重要なポイントは5つあります。
大学生向け2in1パソコンを選ぶポイント
- タブレットモードへの変形方法
- 専用ペンの有無と描画性能
- バッテリー駆動時間
- 画面サイズ
- 内蔵カメラの性能
処理速度やデータ保存容量のスペックについては、想定される作業によって選べば良いです。
しかし、ハイスペックを要求される作業が見込まれる場合(工学系の設計やイラストCGなど)は普通のノートパソコンをオススメします。
これから大学に入学される方など、想定される作業が解らない場合は、少し高めのスペックにしておけば心配ないかと思います。
大学生向け2in1パソコンを選ぶポイント

大学生向け2-in-1PCを選ぶポイント1タブレットモードへの変形方法

2in1パソコンのタブレットモードへの変形様式により「セパレートタイプ」と「コンバーチブルタイプ」の2種類に分類されます。
なお、Windowsタブレットにカバータイプのキーボードを装着してもセパレートタイプと同等と考えられます。
大学生にはどちらが良いかというと、実際は使用方法によると思います。
私感ですが、あえて、どちらが大学生に良いかといえばセパレートタイプだと思います(理由は内蔵アウトカメラの有無と重量)。

コンバーチブルタイプの機種は、重量が重いものが多く、手に持って長時間タブレット的に使うのはきついです。
以下にセパレートタイプとコンバーチブルタイプのメリットとデメリットをご紹介しておきます。
セパレートタイプのメリット・デメリット
タブレットモードにした時に、キーボード部分を切り離せるので、その分軽量になります。普通のタブレット端末として使っている感じがします。なお、価格は高めになります。
コンバーチブルタイプのメリット・デメリット
タブレットモード時に手で持って使うスタイルだと重くて大変です。低〜中間価格帯の機種では1.5kg前後あるので、普通のタブレット感覚では使えません。
なので、タブレットモードでもテーブルの上に置いて使う方が良いです。セパレートタイプよりもラインナップが豊富で、価格は安めです。
大学生向け2-in-1PCを選ぶポイント2専用ペンの有無と描画性能
優秀な描画性能を持つ専用のスタイラスペンがある機種が良いでしょう。
スタイラスペンがきちんと使えない機種は大学生にはもったいないと言えます。
その理由には大学生特有の使い方にあります。
大学生はレポートや卒論を実際に作成する時間よりも、それらの文書を作成するための情報収集と整理に使う時間の方が圧倒的に長くなるからです。
大学生がレポートや卒論で参考にする資料のほとんどは、インターネット上にあります。
例えば、学術論文のほとんどはPDFファイルをダウンロードして使えます。
そのような資料類にペンで直接メモを書けた方が圧倒的に便利なはずです。
また、資料から必要な部分だけを切り抜いて情報を収集するアプリ(例:LiquidTextなど)を使う場合もペンが便利です。

誰にでもわかるレベルで違いがわかります。
パームリジェクションできる機種(ペン)が良い

スタイラスペンで綺麗に正確に描ける性能も重要ですが、それ以上に重要なのがパームリジェクション機能です。
ペンを使う時に、画面に手を触れた時、余計な部分に描かれるのを防ぐ機能です。
パームリジェクション機能がついていれば、ペンで描画しつつも。もう片方の手で画面拡大、移動といったことも可能となります。
※今回ご紹介するのは上記対応品です。
大学生向け2-in-1PCを選ぶポイント3バッテリー駆動時間
特に大学生の場合、バッテリー駆動でパソコンが長く使える機種が良いと考えられます。
なぜなら、大学の講義室に使えるコンセントがあるとは限らないからです。
少なくとも8時間、理想を言えば10時間程度のバッテリー駆動時間はほしいです。
大学生向け2-in-1PCを選ぶポイント4画面サイズ
画面サイズは作業効率に直結するので、なるべく大きい方が良いかと思います。
特に、作図等の作業が多い理系の場合は、画面サイズが14-15インチクラスのものが良いでしょう。
文書作成がメインの文系であれば、画面サイズが13インチクラスのものでも良く、持ち運びも便利かと思います。
なお、2in1パソコンの中にはモバイル性を重視した10〜12インチクラスのものがあります。
12インチはギリギリ我慢できますが、10インチ前後だと画面が小さすぎてパソコンとしては使いにくいと思います。
大学生向け2-in-1PCを選ぶポイント5内蔵カメラの性能
特に大学生が使用する場合、カメラの性能は良い方が色々と有利な点が多いです。
なお、2in1パソコンには大抵インカメラ(画面側)はついていますが、アウトカメラ(画面の裏側)はセパレートタイプに付いていることが多いです。
大学生が2in1パソコン内蔵のカメラを使用する機会は、下記の3つが考えられます。(オンライン授業は除く)
- 就職活動・面接(インカメラ)
- 板書の撮影など記録用(アウトカメラ)
- 紙資料の取り込み(アウトカメラ)
1.就職活動
新型コロナの影響で、多くの企業がオンライン面接をしています。
そして、このオンライン面接という手法は、企業側にも学生側にも大きなメリットがあるので、アフターコロナの時代も続くと考えられます。
オンライン面接で使うのがインカメラになるのですが、画素数で見るとどの機種も似たり寄ったりで最低限の機能は備えています。
万が一、買ったパソコンのインカメラの画質が悪くても、外付けカメラがかなり安く買えるので、購入時はあまり気にする必要がありません。
2.板書の撮影など記録用(アウトカメラ)
教授が板書したものをノートするのは、授業の受け方としてあまりオススメできません。
そもそも、板書せずにパワーポイントなどのスライドを使う教授が結構いるかと思います(早くスライドが切り替わるとメモれない)。
それらをノートに書くのではなく、写真撮影した方が確実で効率が良いはずです。
撮影した画像に直接ペンでメモ書きするという効果的な使い方もできます。
理系の実験などでは、実験記録用に写真撮影するという用途も考えられます。
3.紙資料の取り込み(アウトカメラ)
配られたプリント類は紙で持っているより、撮影して保存しておいた方が何かと便利だと思います。
また、図書館等で借りた書籍についても、コピー機を使うのではなく、必要な部分だけを撮影しておけばコピー代もかかりません。※図書館内で撮影してると怒られます。

コンバーチブルタイプにはアウトカメラがついていないことが多いです。
その場合、前述した使い方をするには、スマホで撮影し、タブレットへデータを転送するという方法があります。
講義室にWifi環境があれば楽に転送できますが、無い場合はBluetoothで転送することになります(遅いし、設定が少し面倒)。
学業分野・タイプ別のスペック目安
パソコン選びで頭を悩ますのがプロセッサー速度、メモリー搭載量などのスペックだと思います。
これの細かい話をすると余計悩ましいと思いますので、大学生の勉強向けにおおよその目安を下記に記します。
プロセッサーの種類
【文系:ワード・エクセル・ネット閲覧等がメインの場合】
Intel Core i3シリーズ/Core Uシリーズ
AMD Ryzen3シリーズ
【理系または余裕を持ちたい文系】
Intel Core i5シリーズ
AMD Ryzen5シリーズ
【大は小を兼ねる!ハイスペックで心配要らず】
Intel Core i7シリーズ
AMD Ryzen7シリーズ
※あまりパソコンに詳しくない、苦手という人はハイスペックにしておけば安心できます。
メモリー搭載量
8GBを推奨しますが、4GBでもなんとか動きます。後からメモリーを足すと割高になるので、初めから8GBが良いと思います。機種によっては追加不可能な場合があります。
保存容量
128GBで充分ですが、多い方が安心できると思います。もし不足してもクラウドなど別の場所にファイルを保存すれば良いだけです。
大学生にオススメの2in1パソコン3選
セパレートタイプ1機種とタブレット1機種
セパレートタイプの機種でオススメするのはLenovo ThinkPad X12 Detachableのみになります。
セパーレートのタイプは現状この機種しかオススメできません。
他のメーカーからも何機種か発売されていますが、画面が小さいかったり、中国の新興メーカーなのでイマイチな感じです。
参考としてWindowsタブレットにカバーキーボードを付けた例もご紹介しておきます。
Lenovo ThinkPad X12 Detachable
スペック概要
※パーツ構成がスタンダードのモデルです。
- プロセッサ:Intel core i3-1110G4 2.5GHz
- メモリー:8GB
- 記憶装置:128GB SSD
- 画面サイズ:12.3インチ
- バッテリー駆動時間:15.2時間
- 重量:1.1kg
タブレット時:760g - 内蔵カメラ:イン500万画素、アウト800万画素
- オフィスソフト:なし
- 専用ペン:付属
ココがおすすめ
米軍調達基準に準拠するかなりタフな作りになっています。キーボードを取り外した時の重さが760gと軽量です。
使われているパーツが最新なものが多く、USBはバージョン4.0、Wi-Fiはバージョン6という最新規格が盛り込まれています。
ココがイマイチ
この2月に発売された最新モデルということもあり、価格が少し高めです。購入できる場所も実質的に公式サイトのみとなります(一番安い)。
Windowsタブレットにキーボードを付けたら何が違うか
Windowsタブレットの代表格とも言える上記の マイクロソフト SurfacePro7(上写真)のように、タブレットにカバータイプのキーボードを付けてもパソコンのように使えます。
写真でご紹介しているSurfacePro7は、画面サイズや重量(タブレット状態時)はThinkPad X12とほぼ同じで、機能的にはほぼ変わらないと言っても良いでしょう(surfaceは少し遅い)。
では、何が違うか・・・
大雑把にいえば、標準でキーボード(機種によりペン)が付属するかの違いです。
また、私感ですが若干2-in-1パソコンとして販売されている機種の方がキーボードの造りが堅牢でキータッチがパソコン的な感じがします。
Windowsタブレットをノートパソコン的に使いたい場合は、別売キーボードかその同梱モデルを買う必要があるのが注意点です。
以下にLenovo ThinkPad X12 DetachableとSurfacePro7比較をしてみます。
ThinkPad X12 DetachableとSurfacePro7の比較
※比較対象は最小スペックモデル同士です。
SurfacePro7についてはカバー型キーボード同梱モデル(ペンは別売)です。
下表は優れている箇所が赤字になっています。
↓機種↓ | 価格帯 | プロセッサ | メモリー搭載 | 保存容量 | 専用ペンの付属 | バッテリー駆動時間 | タブレット時重量 | Officeソフト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ThinkPad X12 | 15万円〜 | Intel Core i3-1110G4 2.5GHz 第11世代 |
8GB | 128GB | あり | 15.2時間 | 760g | なし |
SurfacePro7 | 9万円台〜 | Intel Core i3-1005G1 1.2GHz 第10世代 |
4GB | 128GB | なし 別売1万2千円程度 |
10.5時間 | 775g | Office H&B 2019 |

ただし、バッテリー駆動時間がだいぶ違うので、ご自分の使い方と相談が必要かと思います。
Microsoft SurfacePro7(タイプカバー同梱)
マイクロソフト Surface Pro 7 タイプカバー同梱
Amazonレビュー評価:(2021.3.21)
スペック概要
- プロセッサ:Intel Core i3-1005G1 1.2GHz
- メモリー:4GB
- 記憶装置:128GB SSD
- 画面サイズ:12.3インチ
- バッテリー駆動時間:10.5時間
- 重量:775g本体のみ
- 専用ペン:別売
- 内蔵カメラ:イン500万画素、アウト800万画素
- オフィスソフト:Office H&B 2019
ココがおすすめ
前述のThinkPad X12よりもだいぶ安いのですが、Officeが標準搭載されています。別売のSurfacePenはかなり高精度に描画できます。
ココがイマイチ
2019年発売開始なので、少し古い機種になります。このCore i3モデルではメモリー搭載量が4GBなので、負荷がかかる作業には不向きです。
コンバーチブルタイプ2機種

ASUS VivoBook Flip 14
ASUS VivoBook Flip 14
Amazonレビュー評価:(2021.2.10)
スペック概要
スペック違いの2機種をご紹介します。
①→Ryzen3モデル、②→Ryzen7モデル、数字がないものは共通。
- プロセッサ:
①AMD Ryzen3 4300U 2.7GHz
②AMD Ryzen7 4700U 2.0GHz※1 - メモリー:8GB
- 記憶装置SSD:①256GB ②512GB
- 画面サイズ:14インチタッチパネル
- バッテリー駆動時間:①11.3時間 ②10.6時間
- 重量:1.55kg
- 専用ペン:別売
- オフィスソフト:①なし ②WPSオフィス※2
- 内蔵カメラ:イン→92万画素 アウト→なし
※1通常時のGHz(ベースクロック)はRyzen7が遅いですが、Ryzen7がダントツに速いです。
※2マイクロソフト製ではありません。おまけ程度のものです。
ココがおすすめ
ナローベゼル(画面の枠が狭い)を採用しているため、14インチ画面ですが、本体サイズがコンパクトに抑えてあります。小型なわりにHDMI,USBx3箇所がありインターフェースは充実しています。
ココがイマイチ
重量が1.5kgあるので、片手で持ったタブレット操作を長時間するのは大変です。