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オンライン学習「すらら」の効果を科学的に考察してみた

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オンライン教材「すらら」はやる気を出させ、続けられる工夫が特徴

子供にオンライン学習をさせようか迷っている人は、「続けられるのだろうか?」や「効果あるのか?」などの疑問を持ってインターネットの記事を色々見て回っているのではないでしょうか。
  「オンライン○○教材を使ってみた件」みたいな、いわゆるレビュー記事があふれているかと思います。
  これらの記事を否定する気はありませんが、レビューで「自分の子供に使わせたら良かった!」と書かれていても、自分の子供に有効な教材とは限らないのが教育の難しいところです。
  本サイトではレビュー記事のように主観的な判断ではなく、学術論文や教育者の視点で客観的に記事を書くようにしています。
  今回は、無学年式のオンライン教材「すらら」が興味深いので学術的に考察してみたいと思います。

オンライン学習の問題点

オンライン教材は多くありますが、「すらら」には勉強を続けられる工夫が施されています。まずは、一般的なオンライン学習について、科学的に調査された論文から分かっていることをご紹介します。

オンライン学習は継続しにくい、成績が上がりにくい

実は、オンライン学習について、普通の学習と比較すると「継続しにくい」、「学力が向上しない」という結果がいくつかの論文で報告されています。
  Di Xu & Shanna Smith Jaggars(2013)の研究※1は、アメリカの34校のコミュニティー・カレッジの管理システムから得られたデータを使い、オンライン授業と対面式の授業で成績に差異が出るかを調査しました。
  その結果、オンライン授業を受講した学生は、対面式授業を受講した学生よりも成績および持続性が悪い(統計学的有意差有り)ことが分かりました。
  具体的にはオンラインコースの持続率は対面コースの持続率よりも3.6パーセント低いコースを継続して受講した学生のうち、オンラインコースの平均評点は対面コースよりも約0.19ポイント低い(0.0~4.0の範囲で評定)という数字でした。

また、William T. Alpert&Kenneth A. Couch&Oskar R. Harmon(2016)の研究※2では、「オンラインのみでの学習」、「対面授業のみでの学習」、「オンラインと対面を半分ずつ」の3つのグループで成績を比較しました。
  その結果、「オンラインのみ」のグループは「対面授業のみ」のグループよりも成績が悪く、「オンラインと対面半分」と「対面のみ」のグループでは差がなかったとしています。

これらの研究が意味することは、「学習にはメンター(指導者)がある程度必要」ということです。ここで「ある程度」と書いたのは、Williamら(2016)の研究で、半分はオンラインの学習でも、すべて対面学習した場合と効果に変化はないことが分かっているからです。
  なので、オンライン教材を選ぶときは、学習に対してどのようなサポートを受けられるかが重要なポイントと言えるでしょう。
  また、オンライン教材の機能だけに頼らず、親としてもある程度の勉強指導は必要だと考えられます。

出典

※1 Di Xu & Shanna Smith Jaggars,The impact of online learningonstudents’courseoutcomes:Evidencefroma large community and technical college system, Economics of Education Review Volume 37, 2013.
  ※2 William T. Alpert&Kenneth A. Couch&Oskar R. Harmon, A Randomized Assessment of Online Learning, American Economic Review Volume 106, 2016.

「すらら」は続けられる工夫がされている

先ほど2つの論文をご紹介しましたが、オンライン学習では「メンター」が必要ということでした。
 すらら」にはこれに関して有効なサポート体制があるのが特徴的です。

「AIサポーター」によるサポート

AIがやる気をマネージメントする
※画像はイメージです。実際の『AIサポーター』とは違います。

すらら」には『AIサポーター』という機能が搭載されています。このAIサポーター機能に関しての成果を亀田(2018)※3がコンピュータ&エデュケーションという学術誌に投稿しているので紹介したいと思います。
  まず、「AIサポーター」とは「すらら」に搭載された機能で、個々の生徒の学習努力に対して声がけ、生徒との会話のやりとりを行うことで、ログイン頻度や学習意欲の向上・学習習慣を定着させることを目的にしています。
  具体的には、キャラクターが声がけをしてくれるだけでなく、会話もできるという機能のようですが、生徒のログイン頻度や学習履歴に応じてAIが判断し会話をするものです。
  亀田(2018)はAIサポーターの利用と学習量の増加に相関があることを報告しています。具体的にはAIサポーターを利用している生徒は、利用しない生徒よりも2〜3時間学習時間が多いということが分かりました(図1参照)。

「すらら」のAIサポーターは学習時間を向上させる効果がある
図1「AIサポーター」を積極的に利用する/しない2群の「すらら」学習ユニット数を示すグラフ
出典:亀田(2018)※ただし、原文をトレースし着色した。
  A群:7つの期間すべてで最低1度は「AIサポーター」と会話した生徒(121名)
B群:それ以外の生徒(ランダム抽出121名)

上記について統計学的に処理をすると、6月後半までは有意な差は認められなかったが、7月前半および全期間では有意な差が見られたとしています。時間が経過するにつれてAIサポーターの効果が現れていると示唆しています。
  このことから、「AIサポーター」が心理的メンターの役割をし、生徒の学習意欲を高めていると考えられます。亀田(2018)では成績の向上については触れていませんが、勉強時間が自発的に長くなることにより、成績の向上が望めると考えられます。

出典

※3 亀田久雄,「AIサポーター」を活用した自発的学習の促進,コンピューター&エデュケーション,Vol.45:pp37-40,2018

「すららコーチ」が保護者の指導をサポート

すらら」はAIによるサポートだけでなく、「すららコーチ」という人間によるサポートも充実しています。
  具体的にこの「すららコーチ」が何をしてくれるかというと、以下のとおりです。

  1. 自分の子供の特性に合わせた学習設計の提案
  2. 上手に家庭学習を見守るために保護者をサポート

自分の子供の特性に合わせた学習設計

一般的な通信教育では、「送られてきた教材を順番にこなす」という流れになりますが、「すらら」の場合は無学年式なので、どこから始めても良いわけです。
  どこから始めても良いと言われても、一般の保護者であれば適切な学習計画を決めるのは困難だと考えられます。また、子供本人が計画するのも偏りが起こる可能性がありオススメできません。
  そこで、「すらら」では「すららコーチ」が子供の特性を保護者からヒアリングし、適切な学習計画を提示してくれます。また、学習が進み、ある程度の学習履歴が蓄積されれば、より適切な学習計画になるように、修正しながら進められます。
  さらに、「すらら」の無学年式が優れている点は、子供の学習目的に合わせて調整できることだと考えられます。
  つまり、「学習の遅れを取り戻す」や「受験に向けて先取りする」といった調整が可能だということです。発達障害のある子供にも対応し、難関校受験等にも対応できるという柔軟性をもっています。

家庭学習を見守る保護者をサポート

子供の家庭学習の状況把握は手間がかかる

家庭学習での親の悩みはいくつかあると思いますが、「多忙のため学習を見る時間をさけない」や「子供の学習状況を正確に把握できない」といったことが挙げられるかと思います。
  公文教育研究会が調査した「家庭学習調査2018」では、子供がその日にやった家庭学習の内容を、終了時に確認している母親は、およそ55%にとどまっています。
  前述したように、「学習にはメンター(指導者)」が必要ですから、家庭学習においては親がその役割を果たす必要があります。
  子供の学習をうまく指導するには、学習状況を詳細に把握する必要があるはずです。
 すらら」の場合、親専用の学習管理ツールで子供の学習行動を細かく把握でき、その情報は「すららコーチ」とも共有できます。その情報をもとに「すららコーチ」と学習方針の相談を毎週行うことができるようになっています。
 

大学・専門学校に詳しい先生が解説
先生
具体的にどう教えたら良いか分からない保護者には強い味方になると思います。

アダプティブラーニングによる学習の最適化とやる気のコントロール

すらら」の最大の特徴である「無学年式」とは学年にとらわれず、教科の中の単元のつながりを重視したシステムと言えると思います。
  どういうことかというと、学習に”つまずき”が生じた場合に、必要に応じてその基礎となる単元に戻って基礎からやり直すということです。そのさいに、学年にとらわれず、何年でもさかのぼって”つまずき”を修正するために必要なところに戻ります。
 すらら」のシステムではAIが判断して生徒に適切な課題を提示します。
  このように生徒に適切な問題を提示する教育システムを「アダプティブ・ラーニング(適応学習)」といいます。「すらら」を直接評価するような論文は見当たらないよです。ですので、アダプティブラーニングに効果があるかを解説するために、同じくアダプティブラーニングを使った別のシステムについて検証している論文を紹介したいと思います。
 

稲垣ら(2019)※4が行った研究では、小学生を対象に行われまし、算数のアダプティブラーニングに対応したアプリが導入されているタブレットを貸与し、学校と家庭で学習できるようにしました。
  学習履歴と単元テストの点数を統計学的に処理することにより、アダプティブラーニング教材の効果を検証しようと試みた結果、成績下位の生徒について学校で標準レベルの問題を中心に取り組み,家庭で個に応じたレベルの問題に取り組むことで、ある程度の成果が得られることが確認されたとしています。

さて、「すらら公式サイト」には「89.1%のお子様が学習を継続」という記述があります。そして、”「すらら」は「見る、聞く、書く、読む、話す」などのいろいろな感覚を使った飽きない学習システムなので、ゲーム感覚で楽しく集中して勉強ができます。”とも書いてあります。
  この、楽しくて継続するというのはゲーム感覚だからというだけでなく、勉強が分かるようになり楽しくなることにより、自発的に勉強を継続できるようになるということだと考えられます。
  仕組み的には、ゲームでやる気を起こさせ、アダプティブラーニングで勉強が分かるようにし、やる気を引き出すというやり方です。
  ゲーム感覚の勉強に懐疑的な保護者もいるかとおもいます。そこで、ゲーム感覚の学習によって生徒のやる気が引き出せるかを論じている論文をご紹介します。

池田・杵崎(2016)の研究※5では算数と漢字についてゲームとして取り組める学習システムを小学生に提供し、アンケート調査を行いました。その結果、82.9%の生徒が肯定的な変化があったと回答し、その中でも「勉強をがんばれるようになった」と49%の生徒が回答しています。
  池田ら(2016)は「やる気」が出ない生徒は無意識の中で「勉強=不快」となっているが、生徒の無意識にゲーム感覚で勉強することにより、「勉強=快」となる経験をさせることで、勉強が「やれない」から「やれる」になると論じています。
  実際、脳科学や心理学の分野では「人間の意思決定・選択行動は無意識によってコントロールされている」という説が主流となっています。
  ゆえに、ゲーム感覚の勉強は子供の「やる気」を引き出すのには効果があると考えられます。

出典

※4 稲垣忠,大森裕二,志野奈美子,阿波弘真,村上壮,菊地尚樹,学校及び家庭における適応学習の実践と評価,日本教育工学会論文誌,Vol42(4):pp345-354,2019
  ※5 池田俊明,杵崎のり子,学習とやる気、ゲームー抑えられたやる気を解放する学習へのアプローチ,奈良学園大学紀要第5集:pp1-12,2016

「すらら」の無料体験を試してみた

すらら」は本当に簡単な質問とメールアドレスを入力するだけで、すぐに無料体験ができます。なので、教育者視点で無料体験をしてみました。
 

どんな授業を体験できるのか

まず、「すらら」に対応するのは小学1年生〜高校3年生となっています。無料体験では小学生〜高校生まで各学年の授業を体験できるようになっています。高校生は国語、数学、英語で中学生は国語、数学、英語、理科、社会、小学生は国語、算数、理科、社会の体験ができるようになっています。
  試しにいくつかをやってみましたが、全教科ともに分かりやすい作りになっていました。感覚的にはEテレの教育番組を見ている感じに近いのですが、こちらが解答をする場面があるのでテレビや単なる解説動画とは違います。
  こちらが解答をする場面になると、アニメーションの再生が一時停止するのですが、その問題が分からない場合、アニメーションを戻して解説を聞くことも可能となっています。
  また、各単元の終わりには確認小テストに該当する「まとめプリント」があり、記入後自分で答え合わせをするという流れになっています。

小学4年生理科の「電流の向き」を例に挙げて少し解説したいと思います。この電流は目に見えないため、一般的につまずきやすいポイントとなります。
  ですが、アニメーションと適切なナレーションにより、ビジュアル的に分かるようになっており、解説後はステップバイステップで確認問題がでるので覚えやすいと考えられます。

大学・専門学校に詳しい先生が解説
先生
あえて注文をつけるとすれば、理科の場合は画面で見ることに加えて、実験をした方が理科を好きになると思いますので、「電流の向き」レベルの簡単な実験教材は、保護者が用意してあげた方が良いかと思います。

それと、無料体験ではAIサポーターやアダプティブラーニング機能にアクセスできないのが残念です。これらは、個々の学習履歴がないとうまく動作しないので、システム上体験は不可能なのだと思います。

無料体験に必要なもの

「すらら」の場合は簡単に無料体験ができるので、まず、子供にやらせてみるのが一番良いかと思います。ちなみに、無料体験をするさい、こちらが提供する個人情報はメールアドレスのみなので、執拗な勧誘等の心配はありません(メルマガは届きます)。
  無料体験をするときは、パソコン(Win・Mac)かタブレット(Android・iPad)でアクセスする必要があります(スマホは無理)。
 

「すらら公式サイト」

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